ものづくり・産地のこと

2024/05/18

64年ぶりのリニューアル!新しくなった「千歳鶴」の酒蔵見学&日本酒飲み比べ♪

札幌の地酒「千歳鶴」を製造している日本清酒。

2023年に、なんと64年ぶりに新しい酒蔵を建設したということで、

今回、 酒類・食品卸売業の国分北海道さんと合同で酒蔵見学と、日本酒ラインナップの試飲をさせていただきました!

普段はなかなか見ることのない酒造りの裏側をお届けします。

 

64年ぶりの新酒蔵 建設までのエピソード

酒造りを知り尽くした杜氏のイメージから始まった

新蔵の建設にあたり、杜氏の頭の中のイメージを実際の設計図にどう落とし込むか?ということが課題に挙げられました。

 

酒造りのプロである杜氏は、何よりも作業導線にこだわったといいます。

設計は、同じ北海道内の酒造施設である、上川大雪酒造や仁木ヒルズの設計を担当した建築事務所に依頼。

こうして、64年ぶりに新酒蔵の建設が始まったのです!

  • ↑建設に携わった市澤杜氏の当時のメモに注目!限られたスペースでいかに効率的な配置にするか考え抜かれています。

札幌のど真ん中になぜ酒蔵が?

しかも、建設に選んだ土地は、なんと札幌の都心部である中央区。

工場と言えば大きなスペースを必要とするもの。

地価も高く、面積も限られている中央区をなぜ選んだのでしょうか?それは、“水”に秘密があります。

  • ↑新酒蔵のすぐ隣に流れる豊平川と、それにかかる一条大橋。鮭の産卵の季節になると、川を上る鮭の様子が橋の上から見られます。

酒造りには大量に水を使用するもの。そのため、古くから名水の地には酒蔵が集まるとされています。

千歳鶴の新酒蔵のすぐ隣には豊平川が流れており、その伏流水を井戸水で汲み上げて使用しています。

豊平川の伏流水の特徴は、日本酒造りの邪魔になる鉄分が通常の水道水の1/10と少ないこと!

この水の酒造りにおける有用性は、豊平川沿いに大手酒造メーカーの工場が立ち並ぶことからも伺えます。

何よりも「地酒造りにはその土地の水を使ってこそ」という杜氏の熱い想いが、決め手だったとか。

札幌の街の発展を共に歩んできた、日本清酒のこだわりが伝わってきます!

  • ↑千歳鶴の仕込用水井戸は、新酒蔵の入り口で厳重に管理されています。

 

酒造りの裏側 新酒蔵内の様子

入り口には杉玉がお出迎え

それではいよいよ新酒蔵の中に入ってみます。

普段は見ることのできない酒造りの裏側は一体どうなっているのでしょうか?

入り口の軒先には、酒蔵・酒屋の伝統的な装飾である「杉玉」がお出迎え。

  • ↑入り口にある杉玉は、新酒が出来上がった春、まだ葉が緑色の頃に吊るし、秋には茶色に色づきます。新酒が熟成して飲み頃になったことを知らせるサインになるといいます。

精米&洗米・浸漬

日本酒造りの一番最初の工程は「精米」。

酒造りにはお米の脂分は不要の為、まずは外側を削り、中心の「心白(しんぱく)」といわれる部分を取り出します。

日本清酒で使用している米は、新十津川町のきたしずくや吟風といった酒造りに適した品種。

外側を削ることで35-50%ほど小さくなってしまうので、元から大粒の米が酒の加工には向いています。

  • ↑精米工程における工場内部の様子

蒸し&製麹(せいぎく)

米が麹菌の作用を受けやすくするために蒸気で加熱した後、

蒸した米に麹菌を繁殖させる「製麹(せいぎく)」という工程を行います。

日本清酒では、スペースの関係上、なんと階段を上った2階に麹室があるんです!

この構造は、日本でもかなり珍しいのではないでしょうか。

 

↑奥にある階段を上った先に麹室があり、蒸し終えた米ははしごを使って昇降機で運びます。

 

麹菌を守るために、外部の人間はどんな人であっても立ち入れないとのこと!どこか神聖な感じがしますね。

酒母造り&醪造り(仕込み)

日本酒造りには欠かせない酒母(もろみの発酵を促す酵母を大量に培養したもの)造りを行った後は、一番の特徴ともいえる段仕込みの工程に移ります。

日本清酒では、三段仕込みといって、文字通り三段階に分けてゆっくり時間をかけて仕込む方法を採用。

少しずつ醸していくことで、雑菌の急激な繁殖を抑えたり、温度管理がしやすくなるメリットがあるのです。

  • ↑この日は実際の作業の様子を見ることはできませんでしたが、この大きなタンクで職人が仕込みを行っています!

ちなみに、日本酒の味は、仕込みの際の原料の配合によって変わります。

千歳鶴の六代目杜氏の市澤氏は、なんと創業以来初めての女性杜氏!

日本清酒ではオリジナル日本酒の製造もできますが、その際に味のイメージを杜氏に伝えると、その通りに仕込んでくれるとか。

自身の感覚を元に味を再現できるなんて、決してまねできない職人技ですよね!

 

搾り

最後に仕込んだもろみを圧縮機で搾り、美味しい日本酒のできあがり!

なんと千歳鶴の新蔵では、搾ったお酒はタンクに貯蔵せずにそのまま瓶詰めをしています。

その方が品質が揺らぎづらいのだそう。

出荷の際に加熱処理をし、ようやく私たちの元に製品としてやってくるのです。

このように、日本酒は膨大な工程を経て作られていることがわかりました!

  • ↑横型の圧縮機でギューッと絞って、酒と酒粕に分けられます。
  •  

日本酒試飲会の様子

新蔵で製造した日本酒を試飲!

酒蔵見学の後には実際に千歳鶴の日本酒ラインナップを試飲させていただきました。

 

今回試飲した日本酒は下記のとおり。

・純米 札幌の地酒

・純米酒 丹頂鶴

・純米 吟風 ※新蔵酒造

・なまら 純米 辛口 ※新蔵酒造

・純米吟醸 きたしずく ※新蔵酒造

・純米大吟醸 吉翔 ※新蔵酒造

 <リキュール>梅酒 UMESAKE

一部抜粋して、より詳しくご紹介いたします!

 

なまら純米辛口 日本酒度+6~+8

最初はすっきり飲みやすい味わいですが、後から辛味が広がり、スゥーッと通るようなキレのある喉ごしを感じます。

これぞ辛口の日本酒!というような飲み心地で、飲み飽きしないのも魅力です。

おすすめはお刺身などの醤油系の味付けに合わせること。

和食の繊細な味付けを邪魔せず、非常に相性がいい組み合わせです。

 

純米吟醸 きたしずく 日本酒度-1.5

こちらの純米吟醸きたしずくは、「-北海道米でつくる-日本酒アワード2023」の「専門家・流通飲食店部門賞」を獲得した日本酒です。

北海道のご当地グルメの味わいによく合うお酒だということで、飲食店の方からも好評だったそう!

爽やかな香りと、まろやかでお米の旨味をしっかり感じる甘みは、こってりとした味付に引けを取らない味わいでした。

今回の試飲会の際に提供された、<K&K 缶つまJAPAN>のジンギスカン風に仕上げたおつまみとの相性が良いように感じたのも納得です。

↑ちなみにこちらのおつまみは国分北海道さんの提供!

 

おわりに

64年ぶりに新酒蔵を建設した「千歳鶴」。

日本酒ができるまでの膨大な工程を学んだと同時に、札幌の土地に根付いた酒造りの信念を感じることができた酒蔵見学でした!

また、試飲会では繊細な味わいの違いを体感でき、奥が深い日本酒の世界を垣間見ることができました。

 

最後に、工場案内をしていただいた日本清酒株式会社の皆様と、

試飲会での商品提供ならびにこのような機会を与えてくださった国分北海道株式会社の皆様に感謝申し上げます。

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