北海道百科事典

2021/06/03

生産量日本一!有名な北海道産じゃがいもの人気にせまる

じゃがいもは常備菜として優れており、さまざまな食べ方で私たちを楽しませてくれます。全国で栽培されていますが、生産量は日本全体の約80%を占める北海道がダントツでトップ。北海道で有名なものといえば、じゃがいもと連想するほど親しまれています。

今回はなぜ北海道でじゃがいも生産が盛んなのか、どんな品種があるのかなど、北海道のじゃがいもについて紹介します。

なぜ北海道はじゃがいもが有名なの?

広大な北海道の大地では、じゃがいもだけでなくさまざまな農作物が栽培されています。これは品種改良や栽培方法の工夫や研究を積み重ねてきた成果でもあります。北海道の土地活用は、明治以降の北海道開拓使によって活発に始められました。

雑穀や麦などの栽培が試みられましたが、気温の低い北海道ではなかなか安定した収穫高を得ることができませんでした。そんななか、厳しい環境に強い作物として症例されたのが「じゃがいも」です。

開拓初期にも安定した収穫が期待できて、主食にできるじゃがいもは、多くの開拓農民によって栽培されました。その後、さらに北海道の土地や気候に適した品種が導入されたり、広い土地を活かした大型機械の導入もあって、北海道のじゃがいも栽培は国内の約80%を占めるほどの規模になりました。

もっとじゃがいもが好きになる!じゃがいもの品種

じゃがいもと聞いて、どんな味を思い浮かべたでしょうか?ホクホクで甘みのある熱々のじゃがバター、シチューなどでしっかり煮込まれても崩れないネットリ濃厚なじゃがいも。品種にって、よく合う料理や味もそれぞれです。

そこで品種ごとの特徴を紹介します。知れば知るほど、じゃがいもが身近になってきますよ。

ホクホク系の代表格「男爵いも」

じゃがいもの食感は大きくホクホク系としっとり系に分けられます。ホクホク系のなかでも特に有名な品種が男爵いもです。

男爵いもは函館の川田男爵が、1908年にイギリスから持ち帰ったじゃがいもの品種のアイリッシュ・コブラーがその始まり。北海道の気候にあったのか、すぐに近郊の農家に広まり「男爵いも」と呼ばれるようになりました。

1928年に北海道じゃがいもの優良品種に認定されるときに、広く知られていた愛称の「男爵いも」が正式な品種名になりました。

男爵いもは、丸くやや大きめの形が特徴。切り口は白くでんぷんが多く含まれています。

しっとり系の有名品種「メークイン」

1917年に栽培が始められ、男爵いもと同じ1928年に優良品種に選ばれた品種です。小ぶりで細長く、表面に芽が少ないなめらかな見た目をしています。粘り気があり、煮込んでも型崩れしにくいのが大きな特徴です。

メークインは檜山農事試験場で試作されました。

大きく保存性に優れた「十勝こがね」

ホクホク系のじゃがいもの中でも、男爵いもよりひとまわり大きく食べ応えのある品種が十勝こがねです。表面の芽の数が男爵いもより少ないので、長期保存しやすい点も特徴です。

風通しのよい冷暗所で2か月程度保存できます。その後冷蔵庫に移動させれば、さらに2か月くらい保存可能です。

ホクホク系で大きいので、マッシュドポテトやコロッケなど調理用として重宝されることも多い品種です。種芋の植え付けから収穫までの期間が短い早生(わせ)と呼ばれるタイプなので、家庭菜園での栽培に挑戦してみるのもおすすめです。

見た目の鮮やかさが特徴「レッドムーン」

国内の種苗メーカーが開発した比較的新しい品種のじゃがいもです。赤い月(レッドムーン)という名前のように、さつまいものような鮮やかな赤い皮と黄色のイモが目をひく品種です。食感はメークインに似たしっとりタイプ。甘みや風味が強いので、さまざまな煮込み料理でも存在感を楽しめるじゃがいもです。

また、その色彩を活かして炒めものやポタージュにしても一風変わった一皿ができあがります。

家庭菜園でも栽培可能ですが、晩生で収穫までに日数がかかります。早生の十勝こがねと一緒に育てると、収穫時期がずれるので長く自家製のじゃがいもが楽しめます。

じゃがいも好きならぜひ食べてみたい「インカのめざめ」

生産量が少なく希少ながら、独特の美味しさで知られる品種。それがインカのめざめです。
一見したところでは小粒の男爵いものような見かけですが、中の肉が栗のような鮮やかな黄色をしています。食感はホクホク系で、一般的なじゃがいものは糖質が4〜5度ですが、それを超える6〜8度と甘みが強いことが特徴です。

秋ごろに収穫されますが、低温貯蔵で冬を越させることででんぷんの糖化がすすみ、一層甘味の強く感じることができます。流通量はかなり少ないなので、ぜひとも食べてみたいという方はぜひ北海道十勝まで足を運んでみてください。

ここでは調理用のじゃがいもばかりを紹介しましたが、ポテトチップスの原材料として作られるトヨシロなど、北海道にはまだまだ多くの品種のじゃがいもがあります。機会があればいろいろ食べ比べてみたいですね。

北海道の厳しい冬で熟成された「越冬じゃがいも」

極間の地、北海道ならではの「じゃがいも」として食べていただきたいのが、「越冬じゃがいも」です。越冬じゃがいもは、北海道の厳しい冬の寒さの中で熟成されたじゃがいもで、冬の寒さの中で熟成させることにより、じゃがいもの甘さを一層引き出すことができます。

じゃがいもは、「新じゃが」が美味しいと言われていますが、じゃがいもは冬の厳しい寒さの中で低温管理されると、じゃがいも自身が凍らないようにするために自己防衛として、でんぷん質を糖分に変える性質を持っています。その性質を活かして冬に熟成させることで、じゃがいもの甘さを引き出すことができます。

じゃがいも以外にも越冬野菜は沢山ありますが、北海道のおいしいものを探している方には、特に、越冬じゃがいもがおすすめです。

じゃがいもの旬と保存方法

品種紹介でも少し触れましたが、じゃがいもは長期保存ができることも便利さのひとつです。旬のおいしいじゃがいもの見分け方と、そのじゃがいもを長く楽しむための理想的な保存方法を紹介します。

じゃがいもの旬

スーパーなどでは年中販売しているので、じゃがいもの旬は少しわかりにくいかもしれません。また品種によっても旬は多少のズレが生じます。

一般的なじゃがいもの旬は春と秋の2回と覚えておきましょう。具体的には、5〜6月(春収穫)と10〜2月(秋収穫)の2回です。新じゃがという言葉を耳にすることもありますが、これは5〜6月(春収穫)のじゃがいものことで、皮が薄いのが特徴です。逆に秋のじゃがいもは、やや皮が厚くなります。

おいしいじゃがいもは皮にハリがあって、ずしっと重たいものです。芽が出かけていたり、芽はなくとも皮が緑っぽくなっているものはおすすめできません。緑に見える箇所は、ソラニンという毒性のある成分を含んでいるからです。うっかり保存していたじゃがいもが緑っぽくなっている場合は、その部分だけを削ぎ落とせば普通に食べることができます。

じゃがいもの保存方法

芽が出たり緑っぽい箇所があるのは、陽に当たることが原因です。そのため、じゃがいもは陽の当たらない冷暗所に置いておきましょう。

また湿気があるとカビがついてしまうこともあるので、風通しのよいことも長く保存するには大切なポイントです。理想的な保存温度は7〜15度です。夏場など涼しい場所が見当たらないときは、冷蔵庫の野菜室に保存するのがおすすめです。冷蔵庫の中は乾燥がすすむので新聞紙などでくるみ、ビニール袋に入れて保存します。このような保存方法で2〜3か月は保存可能です。

また冷蔵庫でビニール袋で保存する際にはリンゴと一緒にしておくと、リンゴから発せられるエチレンガスが発芽を抑制してくれます。

健康な食生活のためにじゃがいもを活用しよう

じゃがいもはとても身近な野菜ですが、栄養豊富な上に低カロリーです。同じ重さのごはんよりもカロリーが低く、食物繊維、ビタミンCを多く含んでいます。ビタミンCは加熱に弱い栄養素ですが、じゃがいもの持つでんぷんがビタミンCを守ってくれます。

常備菜としても使い勝手が良いじゃがいもですが、いつも同じイモだと飽きてしまいます。ホクホク系としっとり系の品種を使い分けたり、ちょっと珍しい品種をお取り寄せしたりして、うまくじゃがいもを活用しましょう。