北海道百科事典

2021/06/03

ジンギスカンとはどんな料理?道民に愛されるソウルフードを徹底解剖!

北海道の郷土料理には美味しいものがたくさんありますよね。広大な北海道では地域ごとに漁業や農業がおこなわれています。酪農も盛んで、羊肉が食べられているのも北海道ならでは。そんな羊肉を使った郷土料理といえば、道民のソウルフードでもあるジンギスカンです。

北海道旅行でジンギスカンを食べたことがあるという人も多いのではないでしょうか?そこで今回は、ジンギスカンの歴史から食べ方まで詳しくご紹介していきます。

道民のソウルフード!北海道の郷土料理ジンギスカン

「ジンギスカン」といわれても、北海道との関わりがない人にとってはイメージが浮かばないかもしれません。まずはジンギスカンの基本情報を紹介します。

ジンギスカンってどんな食べ物?定義はあるの?

辞書で「ジンギスカン」と調べると、北海道の郷土料理であることがわかります。羊肉をタレに漬け込んで、ジンギスカン鍋で焼いて食べるものと書かれていますが、定義については触れていません。

野菜は独特の形をしたジンギスカン鍋の縁で焼き、中央部の肉から流れる肉汁を調味料代わりにする食べ物です。また、地域遺産として北海道遺産に指定されています。

ジンギスカンの歴史を紐解こう!どこで生まれた料理?

「ジンギスカン」という響きからモンゴルが関係していると思われがちですが、モンゴル料理ではありません。モンゴルでは放牧が盛んなので、羊肉を食べることは一般的ですが、缶に入れた蒸し焼きや塩味で煮た「シュウパウロウ」という料理がメインです。

中国には羊肉を焼く「コンヤンロウ」という料理があります。実はジンギスカンは、中国大陸に進出していた日本人によって生み出されたオリジナルの料理なんです。モンゴル民族の調理法を参考にして、日本人の味覚に合うように調理した料理がジンギスカンとされています。

ジンギスカンの名付け親は誰?由来をチェック

ジンギスカンは漢字で書くと「成吉思汗」です。これは、モンゴル帝国の創始者である「チンギス・ハン」の漢字と同じ表記です。チンギス・ハンが夜戦の陣中食に羊肉と野菜を食べていたことが、名前が由来になったという説があります。

ほかにも、満州国の初代総務長官である「駒井徳三」が、中国料理の「コンヤンロウ」にチンギス・ハンをイメージした名前をつけたとする説もあるようです。明確な由来は不明ですが、いずれにしても、モンゴルのチンギス・ハンがイメージされていると考えられます。

どうしてジンギスカンが北海道の郷土料理になったの?

ジンギスカンは日本人が考え出した料理であることがわかりましたが、なぜ北海道に定着したのでしょうか?続いては、ジンギスカンと北海道の関係を深掘りしていきます。

北海道でジンギスカンが食べられるようになったきっかけ

日本人にはもともと羊肉を食べる習慣はありませんでしたが、大正時代に入ってから現在の中国にあたる満洲に日本人が進出。現地で食べている「コンヤンロウ」などを見たことがきっかけで、日本でも羊肉を食べるようになりました。

昭和に入ると軍服に必要な羊毛を得るために羊の飼育が奨励され、羊肉は食用へと使われていきます。北海道の札幌市や滝川市に、羊の飼育や研究をする「種羊場(しゅようじょう)」が作られたことで、羊肉が手に入りやすくなりました。

昭和11年になると札幌にジンギスカン専門店が誕生し、その後も出店が続いたことから北海道にジンギスカンが定着していったのです。

北海道がジンギスカン発祥の地って本当?

種羊場が作られたのは北海道だけではありません。岩手県や長野県、千葉県などにも種羊場所があり、羊肉が食べられていました。そのため、ジンギスカン発祥の地とされている場所は複数存在していて、現在でも食されています。

ジンギスカン専門店が初めてできたのも北海道ではないかもしれません。東京都の杉並でも昭和8年の試食会を経て、昭和11年に「成吉思荘(じんぎすそう)」というジンギスカン専門店が開店しています。

また、昭和初期に山形県の蔵王(ざおう)でジンギスカンが誕生したとされる説も有力です。日本綿羊協会の会長がモンゴルを訪れたときに鉄兜で焼いた羊肉を食べているのを見て、蔵王温泉の名物料理を考案。山形の鋳物工場でジンギスカン鍋を製作したとされています。

北海道のジンギスカンは地域によって味付けが違う?

ジンギスカンは北海道民のソウルフードとして定着していますが、どこで食べても同じ味付けではありません。地域によって食べ方が異なります。

内陸部と沿岸部・都市部で異なる地域別の特色

ジンギスカンは種羊場がある、滝川市や札幌、月寒(つきさむ)から北海道全域へと広がっていきました。

道央の内陸部にあたる滝川では、味を漬け込んでから食べる「味付けジンギスカン」が主流です。あらかじめ、羊肉にタレで味を付けてから野菜と一緒に焼いて食べます。

道央でも沿岸部や都市部にあたる札幌や月寒では、味を後付けする「後付けジンギスカン」が主流です。生の羊肉を野菜と一緒に焼いてから、別皿に用意したタレを付けて食べます。

北海道の家庭にはジンギスカン鍋があるの?

ジンギスカンを郷土料理として親しんでいる北海道では、専門店だけでなく自宅で食べることが多くあります。そのため、ジンギスカン用の鍋を家庭でも持っているのが一般的です。

ジンギスカン鍋は中央部分が盛り上がっているのが特徴的。焼く部分にある溝に羊肉の肉汁が流れ落ちて野菜に味が染み込みます。

ジンギスカン鍋は、穴空きと穴なしの2種類の鍋があります。穴空き鍋は細いスリット状の穴が空いていて、直接火が当たるため、炭火や七輪を熱源として加熱する場合に適しています。穴なし鍋は直接火が当たらないので、ガスコンロを熱源として加熱する場合に最適です。

ジンギスカンはどうやって食べるの?作り方をチェック!

最後にジンギスカン作りにチャレンジしたい人に向けて、味付きジンギスカンの美味しい食べ方を紹介します。

ジンギスカン作りに必要なものを準備しよう

・ジンギスカン鍋
ジンギスカン鍋がない場合、無理に購入する必要はありません。ホットプレートや鉄板でも代用できます。

・羊肉
羊肉は成長の段階で、子羊の肉である「ラム」と生育した羊肉の「マトン」に分けられます。羊肉を食べ慣れていない人には、やわらかくてクセがないラム肉がおすすめです。ふんわりと焼けるように常温に戻しておきましょう。

・野菜
特に決まりはありません。もやしや玉ねぎ、ナス、ニラ、人参、キャベツなど自宅にある野菜を使用しましょう。

・うどんなどの蒸し麺
タレがたまってきたらシメに投入するので、お好みのものを用意してください。

準備ができたらジンギスカンをはじめよう!

1.油がはねてテーブルが汚れないように、まずは新聞紙などを敷きます。ガスコンロやカセットコンロを使う場合は換気にも気を配りましょう。すぐに食べられるように食器や飲み物も準備しておきます。

2.焦げ付かないように、ジンギスカン鍋全体に脂をぬります。ホットプレートやテフロン加工のフライパンの場合は必要ありません。

3.ジンギスカン鍋の山に、まんべんなく羊肉をまとめて乗せます。豪快に乗せていくのがポイントです。

4.素早く羊肉の山を囲むように野菜を置いていきます。焼けすぎてしまうので、羊肉を入れた直後に野菜を鍋の縁に乗せていくのがポイントです。

5.最初に入れた羊肉に火が通っていたら、食べはじめましょう。野菜に火が通るのを待つ必要はありません。羊肉は焼きすぎると硬くなるので要注意です。

6.ジンギスカン鍋の縁にタレがたまってくるので、うどんなどを入れて煮込んでいきます。

後付けジンギスカンの場合は、脂を山に乗せてから、ジンギスカン鍋の縁に野菜を敷き詰めます。脂の周りに羊肉を乗せて焼き、水滴が浮かんできたら裏返して10秒ほどしたら完成です。タレや塩を付けて食べましょう。

後付け派?味付け派?お好みでジンギスカンを楽しもう

今回は北海道の郷土料理であるジンギスカンについて紹介しました。北海道では地域によって食べ方が異なります。

羊肉に味付けしてから食べる「味付けジンギスカン」と、焼いてからタレを付けて食べる「後付けジンギスカン」、どちらにしようか迷いますね。北海道で食べた味が忘れられないという人は、ぜひ自宅でジンギスカンにトライしてみてください。