北海道百科事典

2023/01/03

北海道のカニを味わい尽くそう!種類とおすすめの食べ方大解説

魚介類の宝庫・北海道ではさまざまな種類のカニが水揚げされます。カニ目当てで北海道旅行をする方も多いのではないでしょうか。

北海道のカニは種類も豊富で、獲れる時期や旬、味わいもさまざま。この記事を読んで、好みのカニを一番美味しいときに食べに行きましょう!今回は、北海道のカニが獲れる場所や種類ごとの特徴、美味しい食べ方をご紹介します!

北海道内のカニはどこで水揚げされる?

北海道内では、日本海沿岸、オホーツク海沿岸、太平洋沿岸のいずれの地域でも、いろいろな品種のカニが水揚げされます。漁期も長く、たとえばタラバガニは全域で獲れます。

また、毛ガニは胆振(いぶり)で6月~8月、日高で12月~翌4月、網走(あばしり)で3月~8月、宗谷(そうや)で1月~7月、十勝・釧路(くしろ)で1月~3月と9~12月と、1年間を通してどこかの地域で漁が行われています。

道内のカニの水揚げ地ではカニに関連したお祭りが催されることも多いので、ぜひチェックしてみましょう。主なお祭りには次のようなものがあります。

・雄武漁協毛ガニ祭り … 例年4月下旬
・春カニ合戦 in 網走 … 例年5月下旬
・おしゃまんべ毛がにまつり … 例年6月下旬~7月初旬
・根室かに祭り … 例年8月下旬
・広尾毛がにまつり … 例年12月

北海道で獲れるカニの種類や特徴

北海道で獲れるカニの多くは、四大カニと呼ばれる「毛ガニ」「タラバガニ」「ズワイガニ」「花咲ガニ」の4種類。このほかに、イバラガニやアブラガニなども獲れます。カニの種類によって味わいや美味しい食べ方などに違いがあるので、食べ比べて見るのもよいですね。

ここからは、それぞれのカニの特徴や産地、旬などをみていきましょう。

小さくても旨味たっぷり!北海道を代表する「毛ガニ」

毛ガニは、北海道のカニの代表格。年間を通して水揚げされますが、春はオホーツク海、夏は函館の北に位置する噴火湾、秋は根室や釧路の沿岸、冬は十勝沿岸と、季節によって主な産地が異なります。

体の色はオレンジ色で、甲羅はオスは縦に長い楕円形、メスは円形に近い幅広の形をしています。また、メスの方が背甲面の膨らみが大きいのも特徴です。体が小さいために食べる部分はあまり多くないものの、甘味があって旨味濃厚なたいへん美味しいカニです。春と秋~冬のものが、身が多いといわれています。

塩ゆでしただけでも十分ごちそうですが、焼き物や鍋料理も絶品。刺身は殻を剥いた脚の身を冷水につけると、花が開いたような美しい見た目になります。カニみそもたっぷり入っているので、カニの旨味を存分に堪能できますよ。

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プリっと美味しいカニの王様「タラバガニ」

堂々たるサイズで、カニの王様と呼ばれることもあるタラバガニ。タラの漁場でよく網にかかっていたために「タラバ」の名前がつきました。カニの名がついていますが、厳密にはヤドカリの仲間です。

主な漁場はオホーツク海沿岸、北海道東部太平洋、北海道北部日本海。ほぼ通年水揚げされます。甲羅にはトゲがあり、色は灰紫色。加熱すると鮮やかな朱色に変わります。

市場では活ガニのほかにボイル、ボイルして冷凍したものなどがよく売られています。身がたっぷりあってプリっと弾力があるので、活ガニを焼いたり、ボイルしたものをそのまま食べたりするのが人気。身をほぐしてご飯に炊き込んだりしても美味しいです。


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甘味のある細い筋肉繊維の身が特徴「ズワイガニ」

ズワイガニは北海道ではオホーツク海側、日本海側で水揚げされます。漁獲時期は3月~6月・11月~12月と、毛ガニやタラバガニと比べると短めです。

甲羅はやや平たく丸みがある三角形をしており、色は茶褐色で透明感があります。タラバガニの次に大きく、一般的に出回っているオスは脚を広げると70cmにもなります。一方メスは市場にほとんど出回らず、別の種類に見えるほど脚が短いのが特徴です。

以前は缶詰に加工されることが多かったズワイカニですが、最近はボイルしたものが増えています。細い筋肉繊維の身がハサミや脚に多く詰まっていて、甘味が強く美味。チャーハンや天ぷら、寿司などでも食べられます。


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インパクトのある見た目と濃い風味「花咲ガニ」

逆ハート型の甲羅と脚がびっしりと棘に被われた、見た目のインパクトがあるカニ。タラバガニと同じヤドカリの仲間です。「花咲」の名前の由来は、加熱すると濃い朱色になるからとも、花咲半島で獲れることからともいわれています。分布地は太平洋側のえりも岬~納沙布岬にかけてと、根室半島北側のオホーツク海。漁獲期は4~9月とあまり長くありません。

風味が濃く、通好みの味。とくに卵を抱いるメスはたいへん美味しいです。「煮ガニ」がよく食べられますが、ぶつ切りにして味噌汁に仕立てた郷土料理「てっぽう汁」も人気のある食べ方です。

タラバの代用品じゃない!「イバラガニ・アブラガニ」

イバラガニとアブラガニは、タラバガニに見た目がとても似ているカニです。そのためタラバガニの代用品のように思われがちですが、それぞれに違った美味しさがあります。

イバラガニは一部では「幻のカニ」と呼ばれるほど漁獲量が少ないカニ。タラバガニよりも棘が多く、イバラに似ていることからイバラガニと呼ばれるようになったといわれます。食感がエビに似ていて、やや固いのが特徴。味はタラバガニに負けず劣らず美味しく、甘味があります。

アブラガニはオホーツク海の網走前浜のみで漁獲されるカニで、もともとは地元中心に食べられていました。爪がタラバガニよりも長いのが特徴です。タラバガニと区別がつかないほどの味で、価格はタラバガニより安いため、コストパフォーマンスの良いカニだといえそうです。

北海道のカニの美味しい食べ方3選

茹でたカニや焼きガニ、刺身など素材をシンプルに味わう食べ方はもちろん最高ですが、カニには美味しい食べ方がまだまだあります。カニの美味しさをもっと堪能するために、色々な食べ方にチャレンジしましょう!

ここでは、カニを使った人気の料理や、カニを最後まで美味しく食べ尽くす方法を紹介します。

カニの出汁がしみじみ美味しい「てっぽう汁」

てっぽう汁は北海道の道東地方を中心に食べられている郷土料理で、カニの入った味噌汁のこと。箸でカニの脚をつつきながら食べる様子が鉄砲に弾を込める動きに似ていたことが、名前の由来だといわれています。

てっぽう汁に使われるカニは花咲ガニが有名ですが、毛ガニ、タラバガニ、ズワイガニなどを使うこともめずらしくありません。ぶつ切りにしたカニを出汁で煮て、酒と味噌で調味するだけのシンプルな料理ですが、カニから出た旨味たっぷりの出汁の味をしっかりと感じられる、おすすめの食べ方です。

大勢で楽しく食べたい「カニ鍋・カニしゃぶ」

大勢でカニを楽しむ場面では、みんなでワイワイつつけるカニ鍋やカニしゃぶがおすすめ。メインのカニだけでなく、季節の野菜や麺類を入れたり、雑炊でシメたりと、大人から子どもまで飽きることなくカニの旨味を堪能できますよ。

注意したいのは、鍋料理に使うカニはできるだけ生のものを使うということ。ボイルされたカニは塩で調味されているため、鍋などに使用すると出汁が抜けすぎてパサパサになってしまいます。また、あらかじめ味がついているものをさらに味付けするので、しょっぱくなりすぎることもあります。


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残ったカニの殻は出汁をとって最後まで楽しめる

カニを食べ終わったあとに残った殻や甲羅も、すぐに捨ててしまうのはもったいない。カニの殻や甲羅からはとても美味しい出汁がとれるので、ぜひ活用しましょう。

出汁をとるときには、カニの殻や甲羅をフライパンで軽く炙ってから、小さく砕きます。お湯を沸かした鍋に砕いた殻を入れじっくり煮込んだのち、軽く濾(こ)したらカニの風味たっぷりの出汁のできあがり。そのまま、お味噌汁などに使うと、普段の料理がグレードアップしますよ。

北海道でいろいろな種類のカニを食べ比べよう!

北海道ではメジャーな「毛ガニ」「タラバガニ」「ズワイガニ」「花咲ガニ」のほか、「イバラガニ」や「アブラガニ」など、さまざまな種類のカニに出会えます。

獲れる時期や旬、美味しい食べ方を知って、北海道のカニを一番美味しい状態で味わいましょう!カニが獲れる地域ではカニに関するお祭りも開催されるので、時期を狙って行くのもおすすめですよ。